「太陽がいっぱい」「禁じられた遊び」などで知られるフランスの巨匠ルネ・クレマンが、「花咲ける騎士道」の人気俳優ジェラール・フィリップを主演に迎え、ロンドンを舞台に撮り上げたシニカルなラブコメディ。 プレイボーイのリポア氏は妻キャサリンの不在中に妻の友人パトリシアを自宅に招き、彼女の気を引こうと自身の恋愛遍歴を語り出す。職場の上司アンと暮らしていたリポア氏は、家でもこき使われることに嫌気が差し、街で出会った純情なノラと付き合い始める。しかし結婚を迫られて彼女のもとも逃げ出し、今度は娼婦マルセルのヒモとなる。それも長くは続かず、フランス語教師を始めると生徒としてやって来た資産家の娘キャサリンを射止め、彼女と結婚したのだが……。 妻キャサリンを「大いなる遺産」のバレリー・ホブソン、妻の友人パトリシアを「反抗の渦」のナターシャ・パリーが演じた。1954年・第7回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞。